英語教師の留学日記

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日本語教育能力検定試験(令和元年/2019年度) )【解答・解説】試験問題Ⅰ [問題1] [問題2]

日本語教育能力検定試験(令和元年/2019年度) 試験問題 [問題1] [問題2]

の解答・解説です。参考にしていただければ幸いです。

令和元年度 日本語教育能力検定試験 試験問題

令和元年度 日本語教育能力検定試験 試験問題

 

 [問題1]

(1)【円唇性

  1. [a] → 母音の「ア」非円唇低母音
  2.  [i] → 母音の「イ」非円唇前舌高母音
  3.  [ɯ] → 母音の「ウ」非円唇後舌高母音
  4.  [e] → 母音の「エ」非円唇前舌中母音
  5.  [o] → 母音の「オ」円唇後舌中母音 

[o]だけが円唇で、他の[a][i][ɯ][e]は非円唇である。

 

(2)【撥音の音声】

  1. 干拓 → 舌を上の歯茎に強く当てる。
    「ん」の後続音は「た」であるため、「ん」は有声歯茎鼻音で発音される。
  2. 貫通 → 舌を上の歯茎に強く当てる。→ 舌を上の歯茎に強く当てる。
    「ん」の後続音は「つ」であるため、「ん」は有声歯茎鼻音で発音される。
  3. 完治 → 舌を上の歯茎に強く当てない。
    「ん」の後続音は「ち」であるため、「ん」は有声歯茎硬口蓋鼻音で発音される。
  4. 関東 → 舌を上の歯茎に強く当てる。
    「ん」の後続音は「と」であるため、「ん」は有声歯茎鼻音で発音される。
  5. 官邸 → 舌を上の歯茎に強く当てる。
    「ん」の後続音は「て」であるため、「ん」は有声歯茎鼻音で発音される。

撥音の「完治(かんち)」だけが[n-ch]、つまり舌を[ch]の位置に置いて鼻音を出している。他の「干拓」「貫通」「関東」「官邸」は[n-t]や[n-ts]なので舌はtの位置にある。

 

(3)【拍数の変化】

  1. 「月火水」を読み上げるときの「火」 → 1拍(本来)
  2. 「月水金」を読み上げるときの「月」 → 2拍
  3. 「火水木」を読み上げるときの「水」 → 2拍
  4. 「火木土」を読み上げるときの「木」 → 2拍
  5. 「金土日」を読み上げるときの「金」 → 2拍

「月火水」の「火」は読み上げる際、「ka」から「kaa」と2拍に変化する。

 

(4)【読み方のバリエーション】

  1. 9歳 → きゅうさい → 1から10まで「さい」
  2. 9人 → きゅうにん / くにん → 1から2まで「り」3から10まで「にん」
  3. 9個 → きゅうこ → 1から10まで「こ」
  4. 9本 → きゅうほん → 1から10まで「ほん」
  5. 9回 → きゅうかい → 1から10まで「かい」

 

(5)【語構成】

  1. 耳当て → 助詞「に」の省略
  2. 下敷き → 助詞「に」の省略
  3. 台拭き → 助詞「を」の省略
  4. 膝掛け → 助詞「に」の省略
  5. 前書き → 助詞「に」の省略

 

(6)【転成名詞の意味】 

  1. かばん持ち → 持つ人のこと
  2. 所帯持ち  → 持つ人のこと
  3. 金持ち   → 持つ人のこと
  4. 心持ち  →  「持ち」は「あり方」のこと
  5. 力持ち  →  持つ人のこと

 

(7)【デ格の意味】

  1. はしかで休む。→ 理由
  2. メールで送る。 → 手段
  3. 日本語で話す。  → 手段
  4. 遠近法で描く。  → 手段
  5. 新幹線で行く。 → 手段

(8)【補助動詞

  1. 試しにソファーに座ってみる。 → 「みる」は試すの意味で使われている
    後部要素「みる」は本来の意味を失っているので、統語的複合動詞
  2. ゴミを家に持ってかえる。 → 「かえる」は本来の意味で使われている
    後部要素「かえる」は本来の意味を保持しているので、語彙的複合動詞
  3.  花がきれいに飾ってある。 → 「ある」は結果の状態で使われている
    後部要素「ある」は本来の意味を失っているので、統語的複合動詞
  4. 嫌なことはすぐ忘れてしまう。 → 「しまう」は完了の意味で使われている
    後部要素「しまう」は本来の意味を失っているので、統語的複合動詞
  5. 解決の糸口が見えてくる。 → 「くる」はだんだんとそうなるの意味で使われている
    後部要素「くる」は本来の意味を失っているので、統語的複合動詞

語彙的複合動詞:持ってかえる、話はじめる、取り出すのように、複合動詞の後部要素の動詞が結合後も本来の語彙的な意味を担っている語。

補助動詞:読み切る、話し込む、複合動詞の後部要素の動詞が結合後に本来の意味を失い、文法的な機能を担うようになった語。統語的複合動詞はとも呼ばれる。

 

(9)【指定文と措定文】

  1. 私の先生は男の人だ。 → 措定文
  2. 山田さんは医師だ。  → 措定文
  3. あの人は冷淡だ。  → 措定文
  4. 議長は有能だ。  → 措定文
  5. 院長はあの人だ。→ 指定文

指定文:

・Aさんはあの人だ=あの人がAさんだ○

・「~はどの人(どれ)ですか」に対する答えで、「AはBだ」の形は「BがAだ」に置き換えられる。

措定文:

・Aさんは人間だ = 人間がAさんだ×

・「~はなんですか」に対する答えで、「AはBだ」の形は「BがAだ」に置き換えられない。

 

(10)【直接受身文における動作主の表示形式】

 

  1. 生み出された 
  2. 建てられた 
  3. 作られた 
  4. 見られた →「○○によって」が使えない
  5. 描かれた 

 

(11)【述語が表す出来事とニ格の関係】

  1. 週末に映画館へ行った。 
  2. 週末にドライブをした。
  3. 週末に一人で残業した。
  4. 週末にケーキを買ってきた。
  5. 週末にレストランを予約した。 →予約という行為をしたのは週末とは限らない

 

(12)【「の」の用法】

  1. あなた決心を確認する
  2. 好きな子ども →「の」を「が」に置き換えられる
  3. バッグ値段が高い 
  4. 高慢な性格 
  5. 親しい友人娘 

「の」には、「あなたの決心」「友人の娘」など名詞と名詞の関係性を表すものと、「お茶が飲みたくなる時間→お茶の飲みたくなる時間」のように、「が」の代わりに名詞修飾節の主語(対象語)を示す用法がある。

 

(13)【のだ(んだ)」の用法】

  1. あれ、雨が降っているんだ。 →相手に発見したことを確認している
  2. なんだ、このレバーを引けばいいんだ。 →相手に発見したことを確認している
  3. よし、僕は今日から生まれ変わるんだ →自分に対して言い聞かせている【意思】
  4. へえ、こんな本があるんだ。 →相手に発見したことを確認している
  5. そうか、山田さんはあのチームなんだ。 →相手に発見したことを確認している

 

(14)【ところ」の用法】

  1. いまさら彼が来たところで状況は変わらない。→ 「~としても」
  2. 質問したいと思っているところに先生が来た。→ 「~とき」
  3. 仕事が一段落するところで休憩を取ろう。→ 「~とき」
  4. 食事が終わったとこで財布がないことに気づいた。 → 「~とき」
  5. リラックスしていたころに突然電話がかかってきた。 → 「~とき」

1以外は「とき」で言い換え可能。

 

(15)【「れる・られる」の用法】

  1. 昔の友人がしのばれる。 →自発
  2. 新薬の開発が望まれる。 →自発
  3. 経済の悪化が案じれる。 →自発
  4. 学生の意欲が高められる→可能
  5. 彼の将来が思いやられる。 →自発

自発の「れる・られる」:「学生時代が思い出される」のように、人の心の作用に関する動詞に自発を表わす助動詞(れる、られる)をつけて「自然とそうなる」という意味を表わすことができる。
(例)思い出す→思い出される(自発) 思い出せる(可能) 思い出させる(使役) 

[問題2]

(1)【「「ショート」のつもりが「しようと」と聞こえる。】

 

  1. 「10時間」のつもりが「自由時間」と聞こえる。 じゅう → じゆう
  2. 「天井」のつもりが「展示」と聞こえる。じょう → じよう
  3. 「居室」のつもりが「室」と聞こえる。 →短音を長音に聞き違える
    きょしつ → きょうしつ
  4. 「客」のつもりが「」と聞こえる。 きゃく → きやく

3は短音を長音に聞き違えたもので、他は、1拍で発音される拗音を小文字を1拍で読む誤り。

 

(2)【「何頭ですか?」のつもりが「南東ですか?」と聞こえる。】

  1. 「今日行くの?」のつもりが「教育の?」と聞こえる。 →アクセントの聞き違い
  2. 「咲かなかった?」のつもりが「魚買った?」と聞こえる。 →アクセントの聞き違い
  3. 「殻だからね。」のつもりが「体からね。」と聞こえる。 →アクセントの聞き違い
  4. 「旅行です。」のつもりが「涼子です。」と聞こえる。 →これは同音異アクセントの違いではなく、「りょこう」と「りょうこ」、「う」の位置が異なりますから同音ではなく、読みが違います。

 

(3)【私はその映画に深く感動された。】

 

  1. その都市は長年の開発で次第に展された。→能動態(した)を受動態(された)にした誤用
  2. バブル崩壊で株価が一気に下落された。 →能動態(した)を受動態(された)にした誤用
  3. 私はたくさん誤りが彼女に指摘された→助詞「誤りが」の「が」ではなく「を」を使わなければならない=助詞の誤用
  4. 彼女の言葉に私は随分安心された。 →能動態(した)を受動態(された)にした誤用

 

(4)【その商品は高かったです。そこ、私には買えません。】

  1. あそこに大きなマンションが見えます。そこ、私は住んでいます。 →「そこで」を場所としてとらえている。正しくは「そこに」
  2. もう何日も眠れない夜が続いています。そこで、体調が優れません。→「だから」の意味で使っている
  3. 仲のいい友達とけんかしてしまいました。そこで、本当に悲しいです。 →「だから」の意味で使っている
  4. 化学の先生の話はとても面白いです。そこで、化学が好きになりました。 →「だから」の意味で使っている

 例題は「だから」や「それゆえ」を使うべき因果関係を「そこで」といってしまう誤り。

 

(5)【そのお皿は後で片づけますから、まだテーブルに置いてくさい。】

  1. 危険ですから、 その部屋の窓は決して開けずに、 めておいてださい。 →「おいて」の欠落
  2. 彼にはお世話になったんだから、 その恩はずっと覚えておかなきゃいけないな。 →「おいて」の欠落
  3. すぐ帰ってくるつもりだったから、 外出時も部屋の電気は消さずに点けておいた。→ 「おいて」の欠落
  4. 1本しかない傘をなくしたから、 梅雨にるまで新しいのを買おう→まで×→までに○

放置を表す「おいて」の欠落の問題です。正しくは、「テ形+おいて+ください」で言わなければならない誤り。4だけ助詞の誤り。

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日本語教育能力検定試験(令和元年/2019年度)【解答・解説】試験問題Ⅰ [問題3]

日本語教育能力検定試験(令和元年/2019年度) 試験問題Ⅰ [問題3]

の解答・解説です。参考にしていただければ幸いです。

令和元年度 日本語教育能力検定試験 試験問題

令和元年度 日本語教育能力検定試験 試験問題

 

【A】

(1)「日本語の音声」として弁別されないものを選べ。

  1. 摩擦音:肺から口腔を通って出る呼気が、声門・ 咽頭・口腔内の調音器官のどこかで狭められて生じる音。[s][ʃ][z][ʒ]など。

  2. 弾き音:ふるえ音の一種で、舌が、弾くようにあるいはたたくように一回だけふるえるような調音。ラ行子音のうち、「アラ」「イロ」など母音間のものが典型的。

  3. 接近音:声道内に狭い隙間をつくり、その小さな隙間を流れる空気の摩擦によって発生する音。「ヤ」「ワ」等の子音など。

  4. 吸着音:肺や喉頭とは関係なく,口腔音声器官だけで発せられる音。舌打ち舌鼓と同じ種類の破裂音である。

日本語の音声は、鼻 音(nasal sound)破裂音[閉鎖音](plosive sound)摩擦音(fricative sound)破擦音(affricate sound)はじき音[弾音](tap or flap sound)側面はじき音(lateral flap sound)接近音(approximant sound)の7つが用いられる。吸着音は日本語にはない。➡︎4

 

(2)「声門」に関する記述として最も適当なものを選べ。

  1. 有声音は、ほぼ閉じた声門を呼気が通過し声帯が振動している。➡︎ 正しい

  2. ささやき声は、声門が呼吸時と同様に開き声帯が振動している。 → 振動させる

  3. 息を吸うときは、声門が閉まっていて声帯は振動していない。 → 開いている

  4. 息もれ音は、声門が大きく開いていて声帯は振動していない。→ 声門が少し開いた状態で肺から気流を送ることにより、声帯がゆるく振動する

(3)「調音」に関して、日本語の共通語にないものを選べ。

  1. 両唇破裂音 → 日本語の [p][b]

  2. 歯茎ふるえ音 ➡︎ 舌端を歯茎付近で振るわせた巻き舌の音で日本語には存在しない。

  3. 硬口蓋接近音→ 日本語の [j](ヤ行)

  4. 声門摩擦音→  日本語の[h]

調音法とは、主に子音を出すときに行われる呼吸の妨害法で、鼻音、破裂音、摩擦音、破擦音、はじき音、接近音などがある。

 

(4)「子音と母音とでは気流に関して大きな違いが見られる」違いとはどのような違いか。

  1. 気流の流れをいつ妨げるか → 子音が気流を妨げるが、妨げる時間は一瞬であり、その時間を前後させることは困難

  2. 気流の流れをどこで妨げるか → 子音の調音点の違い

  3. 気流の流れをどう妨げるか → 子音の調音法の違い

  4. 気流の流れを妨げるか妨げないかの違い ➡︎ 子音は気流を妨げ、母音は妨げない

<母音と子音の違い>

母音:舌・唇・喉を閉じたり狭めたりせずに出す音

子音:舌・唇・喉を閉じたり狭めたりして出す音

 

(5)「帯気性」が弁別機能をもつ言語の例として最も適切なものを選べ。

帯気音とは有気音のことで、破裂音または破擦音のうち、破裂の直後に呼気がもれるもの。「帯気性」が弁別機能を持つ言語は、中国語、韓国語、ベトナム語である。 ➡︎ 3

 

【B】

(6)「言語記号は音形と意味との間に必然的な関係がない」の内容を表す術語を選べ。

言語機能の恣意性:言葉とそれが表す対象は必然的な結びつきを持っていないということ。

(例)「水」という対象は、waterと呼ばれたりお湯と呼ばれたりする。 ➡︎ 2

 

(7)日本語では(ア)は「軽さ」や「弱さ」と、(イ)は「重さ」や「強さ」と結びつく。(ア)と(イ)に適当な語を入れよ。

サラサラ・ザラザラ、タンタン・ダンダン、トントン・ドンドンなど、清音は「軽さ」や「弱さ」を、濁音は「重さ」や「強さ」と結びつく。

(ア)清音 (イ)濁音

 

(8)「擬態語」の例として最も適当なものを選べ。

  1. ひそひそ耳打ちをした。 → 擬音語???(角川擬音語・擬態語辞典では、擬態語に分類されている)公式解答では、3が正解となっている。
  2. 彼の提案をしぶしぶ承諾した。  → 畳語
  3. ふらふら歩き出した。 ➡︎ 擬態語
  4. 雷がごろごろ鳴っていた。  → 擬音語
  • 擬音語:実際に音が出ているものを言葉にしたもの。(例)わんわん、ドンドン
  • 擬態語:音に直接関係ない物事の状態や心情、動作などを描写したもの。(例)キラキラ、スラスラ 擬態語のうち、「うきうき」、「そわそわ」といった人間の心理状態を表す語は特に「擬情語」と呼ばれる。
  • しぶしぶは畳語で、オノマトペではない。他には「赤々」、「薄々」などがある。

 

(9)「形態素を重ねた、『ピカピカ』のようにゼロ形態で、あるいは『と』や『に』が後接した形で形容詞的に使われる」に関する記述として最も適当なものを選べ。

  1. 「がさがさと/がさがさに」のように、「と」が擬態語、「に」が擬音語の用法に対応する。 → 反対
  2. 「びりびり/びりびりと」のように、ゼロ形態が擬音語、「と」が擬態語の用法に対応する。 →「びりびりと紙が裂ける」のように「と」を伴っても擬音語になる
  3. 「ぎゃあぎゃあと」のように、結果を修飾する擬態語の用法では「と」が使用される。→ 「ぎゃあぎゃあと泣いている」のように「と」は結果を修飾しているわけではない
  4. 「かちんかちんに」のように、結果を修飾する擬態語の用法では「に」が使用される。 ➡︎ 正しい (例)ばらばらに

ゼロ形態 (zero morpheme)とは言語学の用語で、意味はあるが形式がない形態を指す。例えば、「私行く」では本来あるべきガ格が省略されている。しかし、ガ格があっても無くても意味は変わらないため、言語学では「私0行く」というように、”ゼロ格がある”と考える。擬音語でも「犬がわんわん(と)鳴く」のように、「と」をゼロ格として扱うことがある。

 

(10)「接尾辞」の例として不適切なものを選べ。

  1. つく → いらつく
  2. めく → よろめく
  3. なる ➡︎ 接尾辞には存在しない
  4. ばる → へたばる

 

【C】

(11)「助詞」の例として最も適当なものを選べ。

  1. のだ → 助動詞
  2. もう → 副詞
  3. より ➡︎ 格助詞
  4. こと → 形式名詞

 

(12)「取り立て助詞」の説明として最も適当なものを選べ。

 4.  文中のある要素に焦点を当て、暗示された要素との関係を表す。➡︎正しい

取り立て助詞:文中の様々な語に付いて、他の事柄より取り立てて述べる際に使う助詞。文の必須要素ではないため、無くても意味が成り立ち、ある種の暗示的意味を付加する。例えば、「彼も行く。」と言った場合、彼以外にも行く人がいることを暗示する。
(例)も、まで、さえ、ばかり、でもetc.

 

(13)「も」は(ア)が基本的な用法である。(ア)に入るのに最も適当なものを選べ。

  1. 並立 ➡︎ 正しい「英語日本語話せる。」これが助詞「も」の基本的な働き
  2. 共起  → コロケーションとも呼ばれ、ある単語がある文中に出たとき、その中に他の限られた単語が頻繁に出現すること。()選挙に関する文中に、出馬という単語が頻出する。

(14)「直前の要素だけでなく命題も取り上げる」の例として最も適当なものを選べ。

  1. この小説は、早く続編が出版され来年に映画化されるようだ。 → 早く来年に=命題不明
  2. 2 この車は日本で評判がよいが、海外でよいようだ。  → 日本で海外で=命題不明
  3. 彼が来て来なくて、彼女は気にも留めてないようだった。 → 来て来なくて=命題不明
  4. 冷やしたし、薬飲んだがなかなか熱が引かない。 →「頭冷やしたし、薬飲んだが」のように直接の「頭」、「薬」だけでなく、どうしたかという命題を取り立てている ➡︎ 正しい

命題とは、判断を言語で表したもので、真または偽という性質をもつものであるが、基本的にはその文における客観的な内容の部分のこと。取り立て助詞は、直前に取り立てた要素から文中で触れられていない要素を暗示することができる。
(例)彼も休むそうです。(彼以外の人も休む人がいることを暗示する)

 

(15)「意外さの用法」に関する記述として最も適当なものを選べ。

  1. 「子どもでもできる」の「でも」は、デジタル大辞泉によると「物事の一部分を挙げて、他の場合はまして、ということを類推させる意を表す」語で、意外さを表す用法はない。
  2. 「子どもが5人も生まれた」の「数量詞+も」は、話し手の期待や予測より大きな数量を表す。 ➡︎ 正しい (例)コーヒーを3杯も飲んだ
  3. 「子どもさえ知っている」の「さえ」は、意外性を表す場合に特別な文脈を必要とする。
  4. 「子どもまで駆り出される」の「まで」は、取り立てる要素と暗示される対象との間に連続性があると使えない。  

【D】

(16)

  1.  そうするべきだ。拘束的モダリティ
  2.  それでいいのだ。拘束的モダリティ
  3.  そんなことやめなさい。 拘束的モダリティ
  4.  そんなことはあるまい。 ➡︎ 正しい 「まい」はそうではないという事態の真偽に対する判断。認識的モダリティ

モダリティ:話している内容に関する話し手の判断や感じ方を表現するもの。

認識的モダリティ:「かもしれない」「だろう」など

拘束(義務)的モダリティ:「なければならない」「てもよい」など

 

(17)「に違いない」と「はずだ」はどちらも認識的モダリティだが、前者は(ア)で後者は(イ)である。

「にちがいない」は直接、直感、断定、主観で、「はずだ」は間接、論理、婉曲、客観 ➡︎ 2

 

(18)「述部の認識的(エピステミック)モダリティに対して働く副詞」 の例として不適当なを選べ。

  1. こんなチャンスはめったにないだろう。➡︎ 不適当 副詞(めったに)はモダリティ「だろう」ではなく「ない」にかかっている。
  2. この企画は、どうや中止になるらし
  3. まさか、会社は辞めていないよね。 (でしょう)
  4. きっと1年後にはその成果が分かる。 (だろう)

 

(19)「拘束的(デオンティック)モダリティ」に関する記述として最も 適当なものを選べ。

  1. 聞き手への要求を表すため、基本的に話し手自身の行為の意向は表せない。 → 話し手自身の行為の意向も表すことができる。
  2. 基本的にモダリティ形式の前にル形とタ形のテンス対立を持たない。➡︎ 正しい「買うほうがいい / 買ったほうがいい」のようにモダリティはテンスとは関係ない。
  3. 述語構造において、認識的(エピステミック)モダリティに後続する。 → 「買うほうがいいだろう」のように認識的(エピステミック)モダリティも後続する。
  4. 動作の主体を表す主語が二人称でなければならないという制限を持つ。 →  拘束的モダリティを用いる場合に人称制限はない。

 

(20)「なくてはいけない」は必要で、「てもいい」は許可。➡︎ 4

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留学先の検討【留学準備 STEP 2】

前回のブログで以下の二つを検討し、結論として「2. 退職して留学する」道を探すことに決めました。

  1. 現役のまま休職して留学する

  2. 退職して留学する

    kwithk.hatenablog.com

次は、実際に自分が「何を」「いつから」「どのように」学びたいのかについて、熟考していきたいと思います。 

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WHAT「何を」

  • 「世界幸福度調査」で3年連続一位になっている(2020年時点)フィンランドの教育

   

   また、オランダはイエナプランやモンテッソーリ教育といった、オルタナティヴスクー
   ルを多く持つことを特徴としており、「個に応じた教育」を学ぶことができるのが魅力
   の一つです。イエナプランについては、また別のブログで詳しくお伝えできればと思い
   ます。

 

  • 公立学校の教育水準が高いと言われているカナダの教育www.usnews.com

   中学校までの公立学校の割合が90パーセントを超え、大学を含めても、一生にかかる学費が安いこ
   とを特徴とします。留学生や移民の受け入れも多く、「開かれた教育」を行なっています。また、
   Giftedという飛び級システムや、市営のベビーシッター養成コースを経れば小学生でも働くことが
   できるシステムなど、画一的でない教育システムを特徴としています。  

Giftedの話。日本語では英才児とか、天才児と訳すんだろうけど、ニュアンスが違うって気がする。Giftedは贈り物を意味するgiftが語源で、神あるいは天から与えられし贈り物という感じ。「その才能を社会のために還元しなさい」という意味を含んでいると思う。「ザ・ギフティッド」(2014)

   一位はアメリカとなっていますが、アメリカは教育格差が大きいという特徴も併せ持ちます。

二〇一三年、アメリカ合衆国における教育の状況は重大な段階に達した。史上初めて、公立学校に通う生徒の中で「低所得層」に相当する割合が過半数ー正確には五一パーセントーに達したのだ。
「私たちは子どもに何ができるのかー非認知能力を育み、格差に挑む」(2017)

 

  • 上記ランキングで二位イギリスのシティズンシップ教育

   私がシティズンシップ教育を知ったのは、大学の卒業論文を書いている時で、「市民
   性」を育てることを目的とした教科があることに驚いたのを覚えています。また、ノン
   フィクション本大賞を受賞した「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の中
   でシティズンシップ教育に再び出会うこととなり、その概念や目標にますます興味を持
   つようになりました。

EU離脱や、テロリズムの問題や、世界中で起きているいろんな混乱を僕らが乗り越えていくには、自分とは違う立場の人々や、自分と違う意見を持つ人々の気持ちを想像してみることが大事なんだって。つまり、他人の靴を履いてみること。「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(2019)

WHEN「いつから」

2020年時点で30歳の私は、2025年35歳までに海外留学をすることに決めました。

5年後に特に強い意味があるわけではないのですが、日本で留学前にしたいことを済ませるのには、あと5年程度必要であると考えたからです。

HOW「どのように」

「留学」は、「自国以外の国に在留して学術や技術を学ぶこと」という意味を持ちます。そのため、大学に所属すること以外の学びの方法も広く検討していきたいと思います。「海外の教育を学びたい」という目的を達成するための方法として検討したいのは、以下の3つです。

  1.  海外の教育系大学で学ぶ
  2. 海外の教育機関で働く
  3. 海外で子育てをし、その経験を通してその国の教育を学ぶ

結論を先に申し上げますと、「3つすべてを経験したい」という気持と、WHAT「何を」に挙げた項目のできるだけ多くを学びたい、という気持ちが強かったことから、その想いを叶えることができる方法を考えることにしました。

次回はWHAT「何を」とHOW「どのように」を中心として、より具体的な検討を行なっていきたいと思います。 

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<多くの気づきと知識をくれる良著> 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
 
フィンランドは教師の育て方がすごい

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  • 発売日: 2009/03/01
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留学方法の検討【留学準備 STEP 1】

高校の英語教師が海外留学する方法は、以下の2つになります。

  1. 現役のまま休職して留学する
  2. 退職して留学する

 

私が勤務している自治体の規定によると、「1. 現役のまま休職して留学する」方法は、大きく分けて以下の3つになります。

  1. 外国の政府または公共機関の招きにより大学に留学する
  2. フルブライト・プログラムと大学の両方に合格する

    www.fulbright.jp

  3.  IIP(インターナショナル・インターンシップ・プログラム)によりインターンシップをする

    www.internship.or.jp

 

上記3点のどれを使うにしても、以下の要件すべてを満たすことが必要となります。

  • その自治体の教員等として、5年以上の経歴を有すること。
  • 留学後は引き続き5年以上勤務すること。
  • 原則として、一年以内の留学であること。
  • 勤務成績が優秀であること。
  • 留学先で行う研究が、教員等の現在の職務と密接な関係を有し、国内でそれを行うことが困難であるなどの必要性が認められること。

 

私にとってネックになった要件は2と3でした。その理由は、

  • 1年の留学後にもっと勉強したいと考えるようになるかもしれない
  • 留学後に教師以外の道に進みたくなるかもしれない
  • 1年の留学で修士を取ろうとすると、留学先が限られてしまう

といったものがあり、またそれ以外にも、

  • 職場への負担が大きい (代替講師を探したり、仕事の引き継ぎをしたりすること)
  • 留学時期の制限がある (欧米の多くの大学が9月始まりであること)
  • フルブライトを利用する場合、留学に行けるかどうかが、その合否に左右されてしまう

などのデメリットがあります。

 

一方メリットとして挙げられるのは、

  • 帰国後に安定した収入が得られることが確定している
  • 留学で習得したことを活用できる場が保証されている

といったところでしょうか。
今の英語教師の求人や採用率は低くないため、留学後に教師を続けたいと思った場合は、改めて採用試験を受けることで、また教師になれる確率は高いと考えました。

 

両者を比較した結果、「1. 現役のまま休職して留学する」方法は、私にとってはデメリットが多いように感じられました。
そのため、「2. 退職して留学する」の道を探すことに決めました。 

 

世界で学べ  2030に生き残るために

世界で学べ 2030に生き残るために

  • 作者:大谷真樹
  • 発売日: 2019/08/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)